授 業 期 間 | 2023年度 通年 | 授 業 対 象 | ML学科[選択] 火3 |
科 目 名 |
化学
(Chemistry)
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科 目 責 任 者 | 野島 高彦 | 単 位 数 | 4単位 |
担 当 者 | 野島 高彦※ |
授 業 の 目 的 |
医療系専門科目を理解するために必要となる,化学の基礎的知識と考え方を身に付ける. |
教 育 内 容 |
医薬品,医療材料,医療化学分析,そして私たちの身体を構成する材料について理解を深める際に必要となる化学的な考え方と基礎知識を講義する. |
教 育 方 法 |
予習(準備学習動画+配布資料+教科書)→講義(スライドによる準備学習内容の要約+関連トピック紹介+問題演習)→復習(問題演習解説+関連トピック解説動画)の構成となっている.予習・復習の具体的な内容を,毎回の講義および配付物で指示する.予習が終わっていることを前提に講義を進める.講義時間内には,要点の確認と関連トピックの紹介をおこなった後,理解度を確認するための問題演習をおこなう(成績評価には影響しない). |
準 備 学 習 (予習・復習) |
【授業時間外に必要な学習の時間:120時間】 |
回 | 担当者 | 項目 | 授業内容 |
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1 | 野島 【対面】 |
医療・生命科学における化学 |
医療と生命科学と化学とはどのような関係にあるのか / 化学は自然界のどのスケールのものごとを扱うのか |
2 | 〃 |
原子〜この世界をかたちづくっている材料〜 |
原子とは何なのか / 原子はどのようなしくみになっているのか / この世界を「はかる」量にはどのようなものがあるのか / 換算計算はどのようにおこなえばよいのか |
3 | 〃 |
医療と化学とエネルギー |
エネルギーとは何なのか / どのようなエネルギーが医療や生命現象と関係するのか / ものを温めるために必要な熱の量はどのように計算するのか / エネルギーにはどのような法則があるのか |
4 | 〃 |
元素と周期表 |
原子にエネルギーを与えるとどうなるのか / エネルギーの視点でこの世界をかたちづくっている材料を分類するとどうなるのか |
5 | 〃 |
原子と原子のつながり |
原子どうしのつながりにおいて電子は何をしているのか / 分子どうしはどのようにつながるのか / 原子や分子のつながりと生命現象とはどのような関係があるのか |
6 | 〃 |
原子軌道と分子の形 |
分子の形がさまざまなのはなぜか / 電子は原子核のまわりでどのように存在しているのか |
7 | 〃 |
モルと化学反応式 |
「モル」という単位で考えなければならないのはなぜか / アボガドロ定数はどうのように定められたのか |
8 | 〃 |
濃度の表しかた |
医療に関係してどのような場合にどのような濃度の表しかたをするのか / 濃度を計算するときにどのように考えればよいのか |
9 | 〃 |
酸化と還元 |
酸化と還元とは何か / 血糖値測定やオキシドール殺菌はどのような化学反応にもとづくものなのか / 酸化と還元はどのように生命現象や医療と関係するのか |
10 | 〃 |
物質の性質と状態 |
固体,液体,気体は何が違うのか / 物質の状態が変化するときエネルギーはどのように関係するのか / エアコンや冷蔵庫はどのようなしくみで ものを冷やすのか |
11 | 〃 |
気体の性質 |
圧力とは何か / 気体の圧力,体積,温度の間にはどのような関係があるか |
12 | 〃 |
化学反応と熱エネルギー |
化学反応と熱との間にはどのような関係があるのか / 自発的に反応が進むのはどのような条件のときか |
13 | 〃 |
化学反応と化学平衡 |
化学反応が生じるためにはどのような条件が必要なのか / 逆向きの反応も同時に起こる場合はどのように考えればよいのか |
14 | 〃 |
放射線と放射能 |
放射線や放射能とは何なのか / 放射線は人体にどのような影響を与えるのか / 原子力発電はどのようなしくみなのか / 人類はどのように核エネルギーを手にしたのか |
15 | 〃 |
前期のまとめ |
前期のまとめ |
16 | 〃 |
水と溶液 |
「溶ける」とはどのようなことなのか / 何かが溶けることによって液体の性質はどのように変わるのか |
17 | 〃 |
透析と浸透圧 |
生理食塩水とは何なのか / 生命現象や医療と浸透圧とはどのような関係があるのか / 血液透析治療はどのようなしくみなのか |
18 | 〃 |
酸および塩基とpH |
なぜpHを考えるのか / 酸の強さをどのように数値で表すのか |
19 | 〃 |
緩衝作用のしくみ |
身体はどのように体液のpHを一定範囲に保っているのか / 呼吸や排尿とpHはどのように関係するのか |
20 | 〃 |
有機化合物の世界 |
有機化合物は医療や生命科学とどのようにかかわっているのか / 有機化合物の構造にはどのようなパターンがあるのか / 石油資源はどのように薬品や医療材料に変わるのか |
21 | 〃 |
付加反応による有用物質の生産 |
付加反応および脱離反応とはどのような反応なのか / 付加反応を利用してどのように有用物質が生産されているのか |
22 | 〃 |
酸素を含む有機化合物その1 |
医療で用いられる酸素を含む有機化合物にはどのようなものがあるのか / 消毒用アルコールや麻酔用エーテルなど,酸素を含む有機化合物はどのような性質をもつのか |
23 | 〃 |
酸素を含む有機化合物その2 |
油脂,ポリエステル繊維,生分解性縫合糸はどのような物質なのか / フル−ツの香りはどのような物質によるものなのか / 医薬品の作用を高めるために用いられるプロドラッグとはと何なのか |
24 | 〃 |
ベンゼン環を含む化合物 |
医療ではベンゼン環を含むどのような有機化合物が用いられているのか / 石油資源から医薬品を合成するルートはどのように設計されるのか / 有機化学はどのような医薬品の合成に挑戦しているのか |
25 | 〃 |
窒素を含む有機化合物 |
医療では窒素を含むどのような有機化合物が用いられているのか / 窒素を含む有機化合物はどのように医療や生命現象に関係するのか |
26 | 〃 |
生体を構成する有機化合物 |
なぜ私たちの身体は有機化合物で組み立てられているのか / 脂質,糖質,タンパク質,核酸はどのような物質なのか / 感染症との戦いに有機化学はどのように貢献しているのか |
27 | 〃 |
合成高分子の化学 |
天然に存在しない優れた材料を求めて人類はどのような物質を開発してきたのか / 人工繊維はどのように開発されたのか |
28 | 〃 |
バイオテクノロジーを支援する有機化学 |
ペプチド合成,DNA合成,DNA分析,DNA増幅,遺伝情報解析といったテクノロジーの発展に,化学はどのように貢献してきたのか / 人類は化学技術を応用してどこまで生命現象の理解を進めたのか |
29 | 〃 |
2033年の化学〜あなたが医療従事者として活躍している時代の化学〜 |
人類の願いと思いはどのように2023年までの社会を建設してきたのか / あなたが医療の仕事で活躍している10年後,医療分野の化学はどこまで発展しているのか |
30 | 〃 |
1年間のまとめ |
1年間のまとめ |
到 達 目 標 |
生命現象や医療技術に関係する物質の構造,性質,利用法,物理量について理解し,説明できるようになる. |
成 績 評 価 の 方 法 と 基 準 |
試験方法:筆記試験 実施時期:試験期間内 前期試験45 %,後期試験45 %,レポート課題10 %. |
学 生 へ の メ ッ セ ー ジ (その他注意等) |
卒業後のみなさんには,信頼される医療技術を用いて,未来の社会の建設に貢献することが期待されます.そのためには,人体,薬品,医療材料を構成する物質について十分に理解しておくことが必要です.積極的に講義に臨んでください.Webにて過去の講義録,試験問題,授業評価,講義関連情報を公開しています→ http://www.takahiko.info/ Twitter→ @TakahikoNojima2 |
実務経験の授業 への活用方法 |
公的研究機関での生命現象に関わる化学研究の経験にもとづき,化学を理解することが生命現象や医療技術を学ぶためにどのように役立つのかを解説する. |
教科書・参考書 | 書 名 | 著 者 名 | 出 版 社 名 | 定 価(円) |
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教科書 |
はじめて学ぶ化学 |
野島 高彦 | 化学同人 | 2,200円 |